富裕層・VIPのお客様に対する
「車へのエスコート」の本質

〜静かな所作が生み出す、信頼と安心の時間設計〜

富裕層・VIPのお客様にとって、車へのエスコートは単なる移動補助ではありません。
それは「この人に最後まで任せて大丈夫か」を見極める、極めて重要な時間です。

日本バトラー&コンシェルジュ株式会社の哲学

エスコートは「動作」ではなく
おもてなしの完成度を示す
“最終工程”である

富裕層がエスコートで見ているもの

富裕層のお客様は、次のような点を無意識に観察されています。

  • 歩く際の立ち位置は安定しているか
  • 視界を遮っていないか
  • 周囲の安全に先回りしているか
  • 動作に焦りや雑さがないか
プロフェッショナルの基準位置
お客様の左斜め前、70cm〜1m
あくまで“先導”ではなく、空間を整える黒子としての距離感を保ちます。

言葉を減らすことも、最高級の配慮

移動中に多くを語らないことは、決して冷たさではありません。
富裕層のお客様が求めているのは、説明や雑談ではなく「安心して委ねられる静けさ」です。

必要最低限の言葉と、お客様の歩調に完全に合わせた移動。
この「静の対応」こそが、経験値の高い執事の特徴です。

車両前での所作が“品格”を可視化する

車両に到着した後は白手袋を着用し、ドアは必ず以下の手順で扱います。
この一手間が、「車両を道具としてではなく、空間として扱っている」という姿勢を伝えます。

1軽く引いて車両の状態を確認する
2安全を確保し、ゆっくりと開ける
3お客様の乗車を妨げない位置で静止する

最後の10cmが印象を決定づける理由

ドアを閉める際、勢いよく閉めてしまうと、それまでの丁寧さが一瞬で失われます。
富裕層のお客様にとって、ドアが閉まる音や振動は、サービスの質そのものです。

最後の10cmだけを意識して、静かに閉める。
「細部まで意識が行き届いている」という安心材料になります。

お見送りは“関係性の締めくくり”

お見送りは、単なる終了の合図ではありません。
「明確なお礼の言葉」「30度のお辞儀」、そして「車が見えなくなるまで姿勢を保つ」。

ここまでがエスコートです。
この余韻が、「またこの人に任せたい」という信頼へと変わります。

記事執筆者・監修者

新井 直之
(NAOYUKI ARAI)

執事
日本バトラー&コンシェルジュ株式会社 代表取締役社長
一般社団法人 日本執事協会 代表理事
一般社団法人 日本執事協会 附属 日本執事学校 校長

大富豪、超富裕向け執事・コンシェルジュ・ハウスメイドサービスを提供する日本バトラー&コンシェルジュ株式会社を2008年に創業し、現在に至る。

執事としての長年の経験と知見を元に、富裕層ビジネス、おもてなし、ホスピタリティに関する研修・講演・コンサルティングを企業向けに提供している。

代表著作『執事が教える至高のおもてなし』『執事だけが知っている世界の大富豪58の習慣』。日本国内、海外での翻訳版を含めて約20冊の著作、刊行累計50万部を超える。

本物執事の新井直之
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