執事の高い次元のおもてなしは、お客様に
『気がある?!』から始まる

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「お客様から『この執事は私に気があるのか?』と思われるくらい、心を尽くした接客をしましょう」
私が現場で執事を指導する際に伝える言葉の一つです。

誤解を恐れずにいえば、一流の執事は、お客様に対して深い関心や愛情を持ち、それを自然に表現できる人なのです。

しかし、「気がある」という表現は、多くの場合、恋愛感情を想起させるため、少し抵抗感を持つ人もいるかもしれません。けれど、実はこれこそが富裕層のお客様が本当に求めている、究極のホスピタリティの形なのです。

本記事では、執事が実践する「お客様に気がある」と感じさせるホスピタリティの本質について、具体的なエピソードを交えながら詳しく解説いたします。


なぜ一流の執事は「お客様に気がある」と思われるのか?

執事の仕事は単なるサービス提供ではなく、富裕層のお客様の感情や生活に深く関わることです。そのためには、まず執事自身が、お客様を好きになることから始める必要があります。

これは一般の接客サービス業でも同じです。例えば、飲食店のスタッフ、ハイヤーの運転手、ホテルのコンシェルジュ、航空会社のキャビンアテンダント、営業スタッフなど、どの業界でも「お客様を好きになる」ことで、一歩踏み込んだ接客が可能になります。こうした姿勢を徹底すると、お客様は自然と「この人は私に特別な関心を持っている」と感じるようになります。

実際に、富裕層のお客様から高い評価を得ている執事は、男女を問わず、お客様から「もしかして私に気があるのでは?」と感じられることが多いのです。

心理学では、これを「対人魅力理論(Interpersonal Attraction Theory)」と説明しています(Byrne, 1961)。相手に好意や関心を持つと、無意識のうちに言動や表情にそれが現れ、相手もそれを敏感に感じ取るためです。


執事がお客様を「好きになる」ことで生まれる究極のサービス

執事がお客様を好きになることの本質的な目的は、単なる感情的な好意を示すためではなく、より精密で繊細なおもてなしを提供することにあります。

例えば、私が担当した富裕層のお客様には非常に時間に厳格な方がいました。その方が、常に秒単位で正確な時間を把握出来ないと、強いストレスを感じることを理解していたため、1日に4回、ご邸宅の時計の時間を確認して、秒単位で合わせました。これは時計だけではなく、テレビや冷蔵庫、洗濯機、湯沸器、お風呂、インターフォン、パソコン、炊飯器等に組み込まれている時計や、エアコンやオーディオのリモコンに内蔵されている時計機能を持つものすべてに渡ります。

すべての家中の時計の時間を合わせると言う作業は、1回あたり30分以上、1日では2時間かかるような作業でした。しかし、どんなに忙しくても、夜遅くなったとしても、この作業を毎日のルーティーンとして続けました。

このような行動はお客様が「好き」という感情がなければ、お客様の徹底的なこだわりと価値観を大切にできないものです。

また、別の例では、いつもは陽気なお客様が、微妙に表情が曇っていることに気づいたことがありました。好きになることで、普段気づかないような微妙な変化にも敏感になり、すぐに気遣いの言葉をかけ、心配事を早期に解決することができました。

こうした執事としての細やかな気配りは、ホスピタリティの質を劇的に高めることができるのです。


お客様を好きになるための執事の具体的な心構え


執事はお客様を好きになるにあたり、次のような心構えを大切にしています。


お客様の長所に目を向ける
執事は常に、お客様の素敵なところを見つける習慣を身につけています。ネガティブな部分に目を向けるのではなく、常にお客様の素晴らしい部分に意識を向けることで、自然と「好きになる」ことができるのです。


お客様の人生に深く関心を持つ
お客様の趣味や価値観、家族やペットにまで興味を持ち、話を深く掘り下げます。お客様が大切にしていることを執事自身も大切に思うことで、真の親密感が生まれます。


演技ではなく真摯に「好き」を追求する
単なる演技としての「好き」ではなく、執事自身が本当に相手に関心を持ち、好きになる努力をしています。それが自然な振る舞いとして表現され、結果として富裕層のお客様にも心から喜ばれる接客になります。


超一流の執事は同性のお客様にも「気がある」と感じさせる

究極のホスピタリティを提供する執事は、異性だけでなく同性のお客様にも「私に気があるのか?」と感じさせることがあります。

実際、私の会社に所属する男性執事のAが、海外からのお客様(男性)に「君のところのAは、私に気があるようなのだが、大丈夫か?」と、心配半分、冗談半分で尋ねられたことがあります。

もちろんこれは性的な関心ではなく、人として深く関わり、尊重し、細やかな気遣いを繰り返した結果として生まれた感覚です。このエピソードは、執事が提供するホスピタリティの究極の到達点の一つと言えます。


お客様を好きになることのリスクとバランス感覚

ただし、この「気がある」と思わせるような接客には注意も必要です。あくまでプロフェッショナルとしての接客サービスであることを念頭に置き、一定のバランス感覚を失わないことが重要です。

相手に過度な期待や誤解を与えず、純粋なホスピタリティ精神に基づいた対応を心がけることが求められます。


執事の究極のホスピタリティを研修や講演で学ぶ機会を提供しています

私たちは、こうした執事のノウハウや具体的な接客技術を、企業向けの研修や講演として提供しています。特に富裕層向けの接客力を向上させたい企業や、高度なホスピタリティを目指すホテル・レストラン業界の方にご好評いただいています。

お客様を好きになることで生まれる究極のおもてなしを、実践的な形で研修や講演にてお伝えいたします。関心のある企業様はぜひお問い合わせください。


【参考文献】

新井直之(2016)『執事が教える 至高のおもてなし』きずな出版
Byrne, D. (1961). Interpersonal attraction and attitude similarity. Journal of Abnormal and Social Psychology.

記事執筆者・監修者

新井 直之
(NAOYUKI ARAI)

執事
日本バトラー&コンシェルジュ株式会社 代表取締役社長
一般社団法人 日本執事協会 代表理事
一般社団法人 日本執事協会 附属 日本執事学校 校長

大富豪、超富裕向け執事・コンシェルジュ・ハウスメイドサービスを提供する日本バトラー&コンシェルジュ株式会社を2008年に創業し、現在に至る。

執事としての長年の経験と知見を元に、富裕層ビジネス、おもてなし、ホスピタリティに関する研修・講演・コンサルティングを企業向けに提供している。

代表著作『執事が教える至高のおもてなし』『執事だけが知っている世界の大富豪58の習慣』。日本国内、海外での翻訳版を含めて約20冊の著作、刊行累計50万部を超える。

本物執事の新井直之
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