富裕層対応にふさわしい
男性ビジネスシューズの絶対基準。
「2つの正解」以外はすべてNGである理由

「お洒落は足元から」
その言葉は、一般社会における嗜みであり、私たち執事の世界では通用しません。

私たちにとって、靴は自己表現の道具ではありません。お客様の邸宅の床を傷つけず、空間に溶け込み、なおかつ一歩の動きにさえ品格を宿すための「執務用機材(Equipment)」です。
富裕層対応において、足元のわずかな油断は「細部への不注意」として映り、築き上げた信頼を一瞬で崩壊させるリスクを孕んでいます。

本記事では、日本バトラー&コンシェルジュ株式会社が定める、富裕層・VIP対応において不可欠な男性ビジネスシューズの「絶対的な正解」について、詳細に解説いたします。

執事が選ぶべき、
「二つの究極」とその序列

世の中には無数のデザインの紳士靴が存在しますが、富裕層対応の現場で許容されるのは、以下の2種のみです。
これらは「好み」で選ぶものではなく、TPO(Time, Place, Occasion)に応じて明確に使い分けるべき「規定」です。

1. ストレートチップ(Straight Tip)

最も格式が高く、どこへ履いていっても恥ずかしくない「万能の正装」です。つま先に横一文字の切り替えがあるデザインを指します。
【使用場面】 冠婚葬祭、式典、重要なVIP対応、契約の場。
最もフォーマルな場では、迷わずこれを選択してください。

2. プレーントゥ(Plain Toe)

つま先に一切の装飾がないシンプルなデザインです。シンプルで汎用性が高く、日常業務やレセプションなどで活躍します。
【使用場面】 一般的なビジネス全般、日常の執務。
【注意点】 準フォーマルな位置づけであるため、格式の高い「晩餐会」や国家元首クラスの対応などでは、ストレートチップを選ぶのが無難です。

「茶色はNG」
色は黒一色のみである論理的理由

よく「茶色の靴はダメなのですか?」という質問を受けますが、富裕層対応においては「黒一色のみ」が原則です。茶色は止めていただきたいと考えております。
これには明確な論理的根拠があります。

スーツの色との必然的な調和

そもそも、VIP対応や富裕層向けビジネスにおいて、男性が着用するスーツの色は「黒」または「濃紺(ネイビー)」の2色に限られます。
この2色に最も美しく調和し、かつフォーマルな格を損なわない靴の色は、必然的に「黒」になります。
執事の装いは「背景」であるべきです。足元だけ色が浮くようなコーディネートは、ノイズとなり得ます。

ベルトとの完全同期

靴が黒であれば、ベルトも必ず黒で統一します。
このわずかな色の不一致が、VIPの鋭い審美眼には「配慮不足」として映るのです。

磨かれていない靴は、
手入れされていない心と同じ。
それは、お客様への
「誠実さの欠如」を意味する。

Philosophy of Footwear

素材とメンテナンス
「資金的余裕」があるなら選ぶべきもの

デザインと色が決まったら、次は素材と状態管理です。
執事は一日に何時間も立ち続け、広い邸宅内を歩き回ります。

レザーソール(革底)の推奨

最近では機能的なゴム底の靴も増えていますが、もし資金的に余裕があるのであれば、ぜひ「革底(レザーソール)」を選んでいただきたいです。
正式な場におけるセオリーは、やはり革底です。
歩行時の「カツ、カツ」という乾いた接触音は、ゴム底の摩擦音とは異なり、空間に静謐な品格をもたらします。

メンテナンスの徹底

どんなに良い靴(ストレートチップ・プレーントゥ)を履いていても、以下が欠けていれば信頼はゼロになります。

  • しっかりと磨かれていること
  • 清潔感が保たれていること
  • 艶が出ていること
  • 傷がついていないこと

これらを徹底して初めて、その靴は「執務用機材」として機能します。

まとめ:
足元はプロフェッショナルの象徴

執事にとって靴は、自分を飾るものではなく、空間を整え、お客様に安心感を与えるための装置です。
正しく選ばれ、美しく磨かれた「黒のストレートチップ」。
その一足とともに歩む一歩一歩が、あなたのプロフェッショナリズムを無言で証明し続けます。

記事執筆者・監修者

新井 直之
(NAOYUKI ARAI)

執事
日本バトラー&コンシェルジュ株式会社 代表取締役社長
一般社団法人 日本執事協会 代表理事
一般社団法人 日本執事協会 附属 日本執事学校 校長

大富豪、超富裕向け執事・コンシェルジュ・ハウスメイドサービスを提供する日本バトラー&コンシェルジュ株式会社を2008年に創業し、現在に至る。

執事としての長年の経験と知見を元に、富裕層ビジネス、おもてなし、ホスピタリティに関する研修・講演・コンサルティングを企業向けに提供している。

代表著作『執事が教える至高のおもてなし』『執事だけが知っている世界の大富豪58の習慣』。日本国内、海外での翻訳版を含めて約20冊の著作、刊行累計50万部を超える。

本物執事の新井直之
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