【現役執事が解説】現代の執事の服装とは?

イギリス王室と日本をメインに解説

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始めに

本記事では、イギリス王室に仕える執事の服装から、一般家庭やホテルで勤務する現代執事のスタイルまで、国際的な実例を交えて詳しく解説します。
イギリス王室の執事

イギリス王室の執事の服装

イギリス王室に仕える執事の服装は、伝統的なスタイルと厳格なエチケットが守られています。
主な服装構成
モーニングコート:昼の儀式・公式行事で着用
燕尾服(テイルコート):晩餐会や夜の儀式に着用
白手袋:儀礼的な場面でのみ使用

画像は、王室所属の執事と王室メンバーが結婚式に向かう場面


執事といえば燕尾服は間違い

結論:時間帯によって「最上位フォーマル」は変わります。
燕尾服(tailcoat)は、夜間の最上級フォーマルウェア(White Tie)です。
モーニングコート(morning coat)は、昼間の最上級フォーマルウェアです。
つまり、燕尾服が常に一番格式が高いわけではなく、時間帯と場の性質によって使い分けられるのが本来のルールです

燕尾服とタキシードの違いを説明している図
日中でも燕尾服を着る執事

なぜ「執事は燕尾服」だと誤解されやすいのか?

執事といえば燕尾服のイメージがあると思います、ではなぜ燕尾服が執事の服だと誤解されるのか?

王室儀式での使用頻度が高いため
英国王室では、国賓の晩餐会や舞踏会など最上位の行事に燕尾服が用いられる
その結果、「格式の象徴」として強く印象付けられている。

・White Tieドレスコードの影響
White Tie=燕尾服+白い蝶ネクタイ という組み合わせは、現在でも世界的に最も格式が高いドレスコードとされている。

・昼間に燕尾服が着られる“例外”が存在する
王室儀式や国家的演出の場面では、昼間でも燕尾服が使用されるケースがある
そのため「朝でも一番偉い服」と誤解されやすい。

プライベートバトラーやホテルの執事は?

一般的な現代執事(バトラー)は、お仕えする方の要望や勤務先の格式に応じて、実用的で洗練されたスタイルを採用しています。

日常業務での服装
ダークスーツ(黒・濃紺)
白シャツ
グレー・紺・赤のネクタイ
黒の革靴
アクセサリーは最小限(名札は着けないのが一般的)
フォーマルなシーンでは、伝統的なモーニングコートや燕尾服を着用することもあります。
また、ホテルに所属するホテルバトラーやクルーズバトラーには制服が貸与されることもあります。

日本バトラー&コンシェルジュでも専属のお仕えする方によって私服(カジュアル)またはスーツを着ています。

ホテルバトラー,ホテルの執事

ホテルの執事

制服が貸与される
動きやすい服装
引用:TRAVEL ASSOXIATES

クルーズ船の執事

ホテルの執事と同様

引用:MSC Cruises offical

現代の執事の服装の解説

日本の執事

スリーピースが基本
夏はスーツ
燕尾服などは式典のみ
引用:日本バトラー&コンシェルジュ


日本の執事と燕尾服:常時着用は“演出目的”が主流

現代の日本では、執事が常に燕尾服を着て業務を行っているケースが見られます。これは欧米の伝統とは異なり、主に次のような背景に基づく「視覚的演出」として理解されています。


・メディアや舞台での影響による「執事=燕尾服」の定着
・顧客に対して非日常的・高級感ある世界観を届けるためのユニフォーム化
・執事喫茶や高級接客シーンでの視覚的演出


つまり、日本での常時燕尾服着用は“文化的アレンジ”であり、実務上の伝統ではないということになります。

理想的な対応例
通常業務ではダークスーツやスマートな制服
特別な行事やサービス演出時のみ燕尾服を使用
SNSや広告では象徴的な「燕尾服イメージ」、実務は機能服

執事の服装に関するQ&A

記事執筆者・監修者

梶原 優太
(Kajiwara Yuta)

日本バトラー&コンシェルジュ株式会社
経営企画部兼バトラーサーヴィス部所属
社長補佐
階級:バトラー

実績
・執事監修・演技指導
ショートドラマ 「BUTLER」
小山慶一郎様と 宮舘涼太様に対し、執事所作指導を担当

日本執事学校INVRChat講師



一般社団法人 日本執事協会
特任研究員 

一般社団法人 日本執事協会 附属 日本執事学校
講師
主な授業内容(執事史、メイド史)

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