執事の髪型について
白いカツラや粉を付けている男性使用人は執事?
上の写真は、1900年代のイングランドの使用人たちの集合写真です。
最前列中央でベストを着ている2人の男性は、身なりから上級執事(執事、家令、従者)と思われます。一方、左右の外側にいる、上級執事と同じ服を着て白い髪をしている人物たちが目を引きます。実は、髪が白いのは髪粉(白いパウダー)によるものです。
18世紀には、身だしなみの一環として髪粉を振る習慣がありました。主にカツラに用いられましたが、写真のように、場合によっては地毛にも使用されました。しかし、執事以上の階級になると、この習慣はなくなりました。
この髪粉の習慣は一種の流行であり、1795年に髪粉税が導入されたことで一般的には廃れました。しかしフットマンに関しては、その伝統が一部残り続けたのです。経験者によると、髪粉のつけ心地は非常に悪く、粉というよりも粘土のように固まるため、チクチクして不快だったそうです。
現代の執事の髪型について
基本は短髪で、清潔感がある髪型が一般的です。
著作権の関係で写真を掲載することはできませんが、「Butler UK」と検索すると現代ヨーロッパの執事の髪型を知ることができます。
昔から執事の髪型の特徴でもあるオールバックや七三分、短髪の写真が多くあります。
現代日本の執事の髪型について
当社では髪型について厳格なルールはありませんが、短髪を基本として長髪は原則禁止しています。髪の色については、髪を染めることは禁止しています(白髪染めを除く)が、地毛が明るく茶髪に近い方は地毛のままで問題ありません。
最後に
執事の髪型は、黒髪、短髪を基本に、誰が見ても清潔なイメージを持たれることが大事です。よって長髪や、黒色以外の髪色は、たとえ綺麗に整えてあっても執事としては不向きです。また、髪型が整えてあっても、顔色や手先が清潔でなければ、全体としてのバランスが悪くなります。寝坊したら寝ぐせを直す時間も取れませんし、不健康な生活をしていれば相応の顔色になってしまいます。執事は髪型を気にするだけではなく、自身が健康であるための規則正しい生活を送ることが求められます。